理事長挨拶

20世紀になって科学技術の進歩は目覚しく、医学の進展もすばらしい成果をあげ、私たちはその多大な恩恵に与っております。しかし医学が進歩しましても治療の難しい病気もあり、これ以上の回復が望めないと言われたとき、私達はどのようにその後を過ごしたら良いのでしょうか。

多くの患者さんはどのような病気であっても、治らないのであれば、せめて苦しむことなく痛みだけは無くしてほしいと言われます。この痛みをとり、苦しい症状の緩和を第一に考える治療が緩和ケアという医療です。痛みには様々な原因があります。第一は身体的な痛みです。この痛みは世界保健機構(WHO) が提唱しているモルヒネ等による緩和が可能となってきています。また、心の悩みによる苦痛、社会人としての活動ができない社会的苦痛、今生きている意義を問うスピリチュアルな悩み等があります。

緩和ケア・ホスピスケアは回復が望めない方に、その人らしく最後まで尊厳ある生き方をしていただくために、患者さんと家族を支える看護・介護です。ご家族も患者さんと同じくらい苦しい状況であることを思いやり、ご家族の苦痛にも共感し、ご一緒に話し合っていきましょうというケアです。

私達の会はこのホスピスケアの考えを、地域の方々に知っていただき、広めていくために、講演会や研修会等のNPO活動を続けております。また、お1人でも多くの患者さんやご家族の支えになるために、在宅での看護(介護) をサポートする「在宅サポート・さくら」の活動も2004年から始めました。私達のささやかな活動が、地域の方々の支えとなれますよう、是非皆様のご支援をお願いいたします。

また、2019年2月9日に創立20周年の記念感謝会を開催することが出来ました。立ち上げ当初は、私達のような死生観を市民と共に学びながら、看護・介護のボランティア活動を行おうという主旨の会が20年間も続くとは思ってもおりませんでした。これまでに何度か会の存亡にかかわることもありましたが、「一人の人のためでもいい、その人のお役に立ちたい」という信念を自負する私たちの意志の強さがあったからこそ継続できたと思います。20年を経て「いま会が継続するための条件は何であったか」と改めて問われれば、人材と資金ではないかとお答えします。会のため共に頑張ってきた仲間が一緒だったことが一番の強さです。もう一つは資金がなければ継続は出来なかったでしょう。沢山の資金でなくてもいい。最低限の会の運営のライフラインの維持です。当会は収益事業を行っていないので、会発足時に、高齢者医療支援機構、日本財団助成金、柏市の高齢者介護団体活動支援補助金を頂くことができました。その後も柏市民公益活動支援金「柏・愛らぶ基金」、柏市社会福祉協議会「ささえあい たすけあい」サービス事業費補助金、また民間では長年にわたり「京葉銀行高齢者ヘルパー支援補助金」を頂くことが出来ました。このように多くの方がたのご支援を賜ったからこそ今日までの活動を続けられたと思います。ここに改めて暖かいご支援を下さった皆様に心から感謝申し上げます。

2021年4月
理事長 宮坂いち子

会の情報

基本事項

  • 名称  特定非営利活動法人 ホスピスケアを広める会
  • 略称  ホスケア
  • 代表者 理事長 宮坂いち子
  • 発足  1998年9月 NPO法人登記 2002年1月31日
  • 会員  2021年4月 現在53名
  • 目的  
    医療従事者と一般の市民が協力して、啓発活動および在宅支援を行い、地域でホスピスケア・緩和ケアの医療が拡大することに寄与すること
  • 事業  
    定例会(毎月勉強会、ミニ講演会、介護実習、アロマトリートメント実習などを実施)
    公開講演会(年1回開催)
    在宅サポートさくら(在宅看護・介護の支援事業)
    サロンさくら(ホスピスケアに関する勉強会、外部研修、ミニ講演会、ランチでトーク開催)
    アロマの活動(アロマ・ボランティア養成講座開催、医療機関、在宅施設でのアロマ活動、外部受託アロマ講座開催、柏市福祉イベントに参加)
    会報「かたくり」(年1回発行)
  • 会費 (年間) 正会員3,000円 賛助会員10,000円 法人会員30,000円
  • 連絡先 zaitakucare04@jcom.home.ne.jp
  • 内閣府法人ポータルサイト
    https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/012000189
  • 活動支援補助金 柏市民公益活動支援補助金(柏愛らぶ基金)
    公益信託京葉銀行ホームヘルパー助成金
    柏市社会福祉協議会「ささえあい たすけあい」サービス事業費補助金

設立の趣旨

千葉県東葛地域に患者本位・患者中心の医療が実現することを望み、医療従事者と一般の市民が協力して、啓発活動および在宅支援を行い、地域でホスピスケア・緩和ケアの医療が拡大することに寄与することを目的としています。

役員一覧

  • 理事長 宮坂いち子
  • 理事  長尾克子 清水トキ 門松文子 岡田茂子 田村智子 菅博子 舟木敏子
  • 監事  近藤千恵子

発会・あゆみ

  • 1998年 9月 とうかつホスピス研究会発足
  • 2002年 2月 特定非営利活動法人認定
  • 2004年 4月 在宅看護(介護)サポート部門「在宅サポート・さくら」活動開始
  • 2004年 5月 「ホスピスケアを広める会」に名称変更
  • 2010年 7月 アロマ・ボランティア事業を開始
  • 2011年 9月 高齢者と在宅患者のためのアロマ・ボランティア養成及びネットワーク事業を開始
  • 2013年 4月 柏市民公益活動促進基金「柏・愛らぶ基金」の市民公益活動団体に登録。サロンさくら活動を開始
       11月 在宅サポート・さくら 10周年記念感謝会開催
  • 2015年 6月 「出前講座」「かたりあいの場」「ランチでトーク」を開始
  • 2019年 2月 創立20周年記念感謝会開催