1999年から、年に一度3月に会報を発行しています。「かたくり」の会報名はホスピスケアが幼少の頃、病気の際に頂戴した片栗粉のやさしさと、ホスピスケアの患者を支えるやさしさが通じることが由来です。
2022年度「かたくり」第29号の内容ご紹介します。(ご覧になりたい記事をクリックしてください)
- がん患者・家族に寄り添う
- 2021年公開講演会「コロナ禍での在宅医療について∼柏市在宅医療連携の現状と未来」
- Renewal of Home Pageホームページの改装
- 在宅サポート・さくらの一年を振り返って
- 病院での付き添い
- 2021年アロマ活動
- 外部研修
- 定例会での勉強会
- ランチでトーク 勉強会
- 編み物サロン
- 妹を看取って
- 令和3年度定例会・その他の活動報告
- 会へのご支援に感謝申し上げます
がん患者・家族に寄り添う
宮坂いち子
昨年の12月「がん哲学外来」創設者で順天堂大学名誉教授の樋野興夫先生にお会いする機会があった。知人の紹介で柏市地域医療連携センターに来られる先生とお会いする予約を取っていただいた。2001年に先生が順天堂大学で「がん哲学外来」という外来を開設したという話を新聞で読んでいたので、樋野先生が柏に来られる機会にお会いできたことは幸いだった。
私がこの「がん哲学外来」に目を止めたのはその命名である。がんの患者会やがん研究という言葉はよく目にするが「がん哲学」は初めて聞く言葉であり、何だろうと心惹かれた。哲学は古代ギリシャに誕生し、その原義は知恵を愛する、つまり当時は自然や倫理を考える学問分野であった。それ故「宇宙を造っているものは何か」といったテーマから始まり、次第に「生きるとは何か」「善とは何か」「愛とは何か」という人間の生き方に関するテーマを探求するようになっていった経緯がある。その哲学と人体の組織的異常のがんがどのように結びつくものなのかという疑問があった。
先生にお会いして分かったことはがんを科学として学びながら、がんに哲学的な考えを取り入れていくと言う事だった。病理学者である先生は病理解剖したがんなどから、がん細胞の進展が良く分かり、治りにくいがん、末期のがんなど、がんの実態が分かる方である。患者ががんと言われた時、主治医ではなくその後の経過などゆっくり話を聞いてくれる医師が欲しいという要望が強かった。しかし現場の医師たちは時間が限られていてその時間がない。そこで病理学という分野の医師が、順天堂大学で「がん哲学外来」という無料の外来窓口を設け、がんとどの様に付き合っていくかの処方箋を言葉(哲学)で患者に示すという企画をしたのが樋野先生であった。
がんは様々な手を尽くしても再発がんや末期がんの治療には限界がある。その時患者はどう生きたら良いのか。不安と絶望を感じた患者は樋野先生の哲学外来に来て、先生にがんの治療方法などについて悩みを吐露し、話を聞いてもらう。病気を治すことはできないが、自分の気持ちを語り聞いてもらうことで問題が解消し、自分の生き方を考え、何らかの変化を得て帰って行く。問題は解決できないが解消されるのだと先生は言われた。この「がん哲学外来」に「カフェ」という語り合いの場も提唱しておられ、患者・家族が語り合うことを契機に、がんになってこそ分かった大切なことに気づいたり、お互い感謝の気持ちを吐露できたりする。そんなカフェという場が既に全国に沢山出来ている。
「がん哲学カフェ」は「あなたを一人にしない」「いつでもあなたに寄り添います」という場である。そのような癒しの場を私達も工夫して当会らしい哲学カフェとして東葛地域に提供していきたい。
2021年公開講演会「コロナ禍での在宅医療について∼柏市在宅医療連携の現状と未来」
2021(令和3)年9月25日(土) 14:00~16:00 アミュゼ柏プラザ (参加者 50人)
講師:柏市医師会在宅プライマリケア担当理事
のぞみの花クリニック院長 古賀友之(こがともゆき)氏
古賀先生は北柏台の診療所から引越しをされ、10月1日より布施に「のぞみの花クリニック」在宅緩和ケアを専門とする強化型在宅療養支援診療所を開所されました。今回の講演内容は以下です。
1.症例と医療の種類、「のぞみの花クリニック」自己紹介をかねて
スタッフ15名:医師3、看護師7、薬剤師1、理学療法士1、医療ソーシャルワーカー1、事務2
がん患者の看取り:2012年から約9年間で、自宅で464名(在宅看取り率72%)、診療期間中央値は33日。御家族は自宅での療養に不安がある。御本人は病気の進行・痛みへの恐れと家族への迷惑を心配なさる。そんな中でスタッフが訪問・緩和ケア医療を実践する中で「自分の痛みにこんなに開放的に扱ってくださって・・これが本当の医療ですよね」「じっくり一つひとつ話を聞いて下さり、その時にあった最善の方法を一生懸命考えてくださる」と話される。見守られる中で、御本人が何をしたいと思うのか、望む生活に焦点が当たります。無理ではと思われた外出(散歩、買い物、ディズニーランド等)をされた方々も。密度高い生活、感謝に満ちた言葉がありました。
医療の種類:①緩和ケアは寄り添う医療、必要とされるのは人間力(その人自身をそのまま受け入れる、やるせなさや辛い気持ちを思いやる)自主性、自立性を信じ横に寄り添うことで人は次第に辛さを和らげ、共に歩み始める。②慢性期医療は支える医療、技術力+人間力(訴えを良く聴き、診察し、的確な薬を処方、親切に困っている人を支える)③急性期医療は救急・災害医療、必要とされるのは医療者の技術力。COVID-19の対応。
チームケア:多職種協働のチーム医療、在宅医療では利用者の医学的管理と生活を支える介護、更に福祉、保健、行政、地域社会との連携が必須、利用者を尊重する機能的チームケアで支える。
2.クリニック等でのCOVID-19対応、柏市の地域連携体制
2020年2月から訪問時の感染標準予防策を実施(持ち込まない・持ち出さない・拡げない)。保健所から連絡入ると⇒電話等で初診⇒ICT(情報通信技術)支援チームで情報共有⇒訪問看護と在宅酸素を指示⇒24時間以内に往診⇒毎日看護師が朝と夕に電話にて症状確認。令和3年4月~9月ワクチン接種649件、社会的要請に対応した。在宅医療推進(柏モデル)の中核は柏地域医療連携センター。
柏市陽性自宅療養者支援チームは医師会織田先生を中心に、訪問看護ステーション連絡会・薬剤師会在宅委員会・東京ホームケア・柏市地域医療連携課で組織された。令和3年8月頃の1カ月で56症例(隔離解除41・入院14・その他1、入院先探しに苦労)。今回の経験では、非常事態でも、医療・介護・消防、時に警察と連携は良かったので、今後、更に保健所等まで連携の輪を拡げてゆきたい。 質疑応答では時間が足りない程活発な質問を頂きました。アンケートの中には、普段聞くことが無い内容で良かった。また実際ケアを受けた方からは、きめ細かい対応で感謝しているとの感想を頂きました。(文責:舟木敏子)
Renewal of Home Pageホームページの改装
笹子織江
http://hoscare.wp.xdomain.jp/
ホスケアのホームページをリニューアルしました。是非サイトをご覧下さい。上記のURLを入力して頂くか、右記のQRコードを読み取るか、「ホスピスケアを広める会」で検索をして下さい。スマートフォンでも対応しています。
このHPは只今脚光を浴びているWordpress版でプロバイダーはXfree(エックスフリー)というWordpressが使える無料サーバーで構成されています。 このHPのテーマはlightningと言って、トップページがスライドショーになっています。上記のさくらの写真はトップページで、順繰りに変わって行きます。ホームページ製作は我孫子のパソコン楽しみ隊にお願いしました。
HPの骨格がどのようになっているかご紹介しましょう。
ホーム トップページ :「ホスピスケアを広める会とは」の[詳細]をクリックして頂くと宮坂代表のご挨拶と代表の写真が登場します。最新情報には会の活動の情報を掲載しています。
活動内容 :定例会、公開講演会、在宅サポート・さくら、サロンさくら(勉強会、ミニ講演会、外部研修、看護・介護をランチでトーク、会報「かたくり」など当会の活動内容です。
入会案内 :入会案内、柏・愛らぶ基金の説明です。
お問い合わせ :当会へのご質問を記入して頂きそのまま送信をクリックするとメールで送信できます。
法人情報 :会についての、基本情報、発会・あゆみ、設立の趣旨、役員一覧です。
アクセスマップ、関連のある団体のリンク先、このHPの仕様と呼ばれるサイトマップ、個人情報保護
に関するプライバシーポリシーです。
会員の広場 :毎月の事務所の当番者名が掲載されています。今日はどなたが当番かを知りたい時にパスワードを入力して頂くと当番表を閲覧することが出来ます。パスワードを知りたい方は事務所に連絡して下さい。
この度、HPリニューアルを担当したことにより、会の創立から今日に至るまでの代表をはじめ諸先輩方々のご活動を具体的に知ることができました。参考にした書類は20年史、以前のFC2のHP、保管書類などです。膨大な資料の数の中から、どんな内容にフォーカスしたら良いかの仕分けに苦労しました。今後も閲覧し易い内容にして行きたいと思います。
是非ご覧になって頂き、新HPに関してのご感想、ご意見をお寄せください。
在宅サポート・さくらの一年を振り返って
コーディネーター 長尾克子
変異型ウィルスオミクロンの感染が、未だ全く収束の見とおせない今日です。
そんな中でもさくらの活動が継続出来たことを感謝してご報告いたします。
在宅サポート・さくらの活動は、幸いなことにお一人おひとりを対象としてケアに当たりますから、感染の機会やクラスター発生は少ないと考えています。
サポーターの皆さんには手指消毒液持参やマスク使用など対策をきちんと取りつつケアに当たって頂きましたが、常よりはご負担をかけていることにはいつも感謝しています。
サポートの途中で在宅から施設に移られたり、亡くなられた方も残念ながらいらっしゃいました。
今年は、初めてのケースですが、編み物の好きな女性と共に編み物をしながら見守りや傾聴をして欲しいとのご依頼がありました。手芸サークルの方々が直ぐに対応して下さり、大変嬉しいことでした。
看護や介護、指圧マッサージ、アロマトリートメントなどのケアに加えて編み物までサポート出来るなんて。多才な会員の皆様に感謝の外ありません。
ただ訪問直前に体調を崩されて入院なさったために未だサポートできずにいるのが、本当に残念です。早く回復なさって訪問が実現するのを祈っています。
新年度にはどんなご依頼が来るでしょうか?
地域の方達への貢献が少しでも出来るようこの会が存続・発展して行けますように。
新しい会員の皆様にも期待して、また私たち一人ひとりも成長する会になりたいと願っています。
2021年の在宅サポート・さくらの活動状況:
活動時間 延べ 179時間 活動人数 延べ 68人 ご利用者 延べ 32人
病院での付き添い
会員 高野正子
初めての利用者さんの付き添いはコロナ禍でした。私にできる事が有ればうれしいと依頼を受けました。このような状況の中で前もって注意したことは先ず自分の体調を万全に整え、人込みを避けて当日に臨みました。
病院で待っている間、利用者さんとは、気持ちが和むように他愛もないお話を少しずつ させていただきました。無事会計を済ませてお見送りをしたときに、「どうもありがとう。又お願いするかもしれません。」と笑顔で話されました。
その一言で少しはお役に立てたかと思っています。
2021年アロマ活動
ハーバルセラピスト 菅博子
安全衛生委員会講習会
オンライン講座日時:11月8日(月曜日)13時~15時30分
場所:ラコスタ柏研修室
対象者 こどもルーム職員・キッツルーム・柏市公立保育園職員他
講 師 ホスピスケアを広める会 担当 菅博子 笹子織江 松田美奈子
講座テーマ アロマでストレスケア
1.ホスピスケアを広める会理事長挨拶 宮坂いち子
2.ストレスについて・アロマトリートメントの良さ、アロマテラピーについてトリートメント注意事項説明
3.ハンドトリートメント実技
4.フットトリートメント実技
柏市子育て支援課よりご依頼いただき、毎年おこなっていた講座「アロマでストレスケア」を今回はセルフでのオンライン講座でおこないました。初めてのことでとまどいましたが、コロナ禍で働く医療現場や様々な職種のお子様をあずかる職員のかたの、心と身体のストレスケアに役立てていただければと、会員で試行錯誤しながら作成しました。2022年はコロナが収束し以前のように対面での活動が、気兼ねなくできるようになれればと願っています。
2021年アロマ活動研修会
日時:7月10日(土曜日)13時~14時45分
場所:パレット柏ミーティングルームD
講師 薬剤師・メディカルアロマテラピスト 長谷川記子氏
講座テーマ コロナ時代のストレスケア
1.アロマ抗菌マスクスプレー作成 アシスタント 宇川悦子氏
長谷川先生オリジナルによるアロマ抗菌スプレー
2.講義
ストレスケア、脳内ホルモン活性化と免疫力、栄養について
アロマのフォローアップ研修とコロナ禍で役立つ抗菌殺菌効果の高い成分の精油を使用したスプレー作成を会員で学びました。
外部研修
国際福祉機器展 保健師 岡田茂子
今年の国際福祉機器展は昨年同様、新型コロナウィルスの影響によりWebsiteとlive参加の2つの形式となりました。参加には事前登録が必要になり、会員3名が参加しました。開催は11月10日から12日の3日間でしたが、初日に参加したこともあり、コロナ以前より参加者は少なかったです。また開催場所も東京オリンピックの影響でビッグサイトではなく、青海の国際展示場で規模も小さく、対面の参加業者も少なかったです。以前のような試供品や物品の販売も少なく、必要なことはインターネットでの連絡になり時代を感じました。アンケートに解答した者にははずれなしで素敵なプレゼントが当たりました。
定例会での勉強会
コロナ禍の状況の中で 介護相談員 門松文子
2022年の新しい年もコロナウィルスのニュースから離れられない幕開けとなりました。世界の感染者数は3億人の勢いで死者も500万人をはるかに超えています。多くの人が大切なものを奪われました。特に家族を失った人々を思う時、悲しみは地球全体を覆う程です。社会の構造にも大きな影響を及ぼしています。大小の企業で働く人々のうち、1年以上の長期失業者は月平均66万人といいます。
このような不安定な社会と不安を抱えながら、この災いを乗り切るしかありません。医療や介護現場の人たちも危険と向き合いながら精一杯、責任を果たしてくださっています。私たちも国の指導する状況に従って生活しなければと思います。
そして今年も“さくらの会”の依頼者の方々に向き合い、ささやかですが活動を続けることができればと願っています。
ランチでトーク 勉強会
保健師 岡田茂子
ランチでトークは2016年に開催して6年目になりました。昨年からの新型コロナの影響などにより、定期的な実施は難しい面もありました。
今年度は「会員がもし難病やがんで在宅療養生活を始めるなら」というテーマで4回開催しました。
参加者は5~10名でした。内容は、①在宅医療を始める前の基礎知識 ②訪問する職種と仕事内容 ③介護保険の申請と利用の仕方 ④柏地域医療連携センターと地域包括支援センターの機能について具体的に自身の居住地の情報で意見交換をしました。最終的には、各自が今後の生活をどのように送りたいか確認する意味も含めて、柏市の発行している「私の望みノート」に各自が記入し発表することにしました。その中で出てくる主治医の選択方法や考えについてなど意見交換を行いました。
編み物サロン
会員 宮井久子
編み物カフェは、今年もコロナ禍の影響を受け、バザーを開催する機会があまりありませんでした。12月にアロマの長谷川先生のクリスマス会に参加させていただく機会がありました。手芸の材料は、母や叔母の着物地で小物袋や携帯袋、お財布など工夫して作成したところ、かなり新鮮で評判も良かったです。
編み物カフェは我孫子駅から徒歩1分のけやきプラザ10階
市民活動ステーションで、会員の皆さんと近況報告や、今後の人生設計などを話しながら楽しく作っています。写真にあるような素敵なグッズを作成しています。興味のある方は是非のぞいてみてください。
妹を看取って
会員 近藤千枝子
令和3年8月中旬、精神科に10年来入院中の妹に癌の疑いがあると突然の知らせがありました。大変びっくりしました。新型コロナの影響で面会はガラス越しに顔を見る位でしたのに、他の病院で検査を受けに連れていき、2年ぶりに直に妹の肩を抱いて手を握ることができました。医者からプリンとお茶を許可されて、なんということか、今までおやつを持参しても1時間半もかかって食べていたのに、その時はパクパクと食べたのです。おいしそうに食べる妹の姿を見て、何とも言えない辛い、悲しい、うれしい複雑な想いが押し寄せました。それまで面会できなくても、洗濯物の入れ替えに週2回病院に行っていました。令和3年の初め頃、「近頃食べる量が減ってきて、体重が落ちてきたのですが、担当医が薬を調整して食欲が戻りました」と聞いていました。
内科医と精神科医から検査結果・病状の説明等があり、末期癌でした。治療について家族の希望を聞かれました。専門の緩和ケア病院での治療を希望しましたが、「お勧めできません」との返事でした。どのように進めれば良いか困り、迷いました。当会の「ランチでトーク」担当の保健師 岡田さんに相談した上で、今まで通り精神科病棟でなじみのナースにお世話になることにしました。妹の心の安定に良いことですし、痛みや苦しみが出た時には、疼痛治療をお願いすることにしました。
9月末にコロナの緊急事態宣言が解除され、面会が15分許可になって病室に入れるようになりました。「今日はシャワー浴が出来ましたよ」とナースが嬉しそうに伝えてくれましたが、まもなくそれもできなくなり、清拭になりました。「近藤さんのタオルは可愛いのばかりですね」とナースに言われ、うれしくなりました。タオルや服を買う時は妹の好きそうなのを選んでいましたが、特に本人の反応はなく、もしかしたら喜んでいてくれたのかなと思えたのです。告知後1か月半位は、院内の茶和会に出されるケーキを少し食べられたのですが、流動食しか喉を通らなくなりました。
10月中旬には点滴が漏れ出し、痛がっているので外しました。この時には酸素マスクを着けていますが、うっとうしいのかしきりに取りたがったのには困りました。手や足をさすり続けていましたが、次第に意識が薄れていきました。「痛い、苦しい」と声に出すことはありませんでしたが、口を開けて一生懸命呼吸している姿を見ていると「ご先祖様どうぞ見守ってください。神様、良い方向へ導いてください」と祈らずにはいられませんでした。11月2日に静かに亡くなりました。
妹とは嫁いで50年来の付き合いです。中学生から精神病を病んでいて、両親、そして兄である主人と共に見守っておりましたが、主人を亡くしてからは特に、私を成長させてくれる大切な存在だったのだと思います。妹は近藤家の守り人として今を生き切ってくれたのだと思います。
私は、当会とはさくらの会発足当時に長尾さんからのお誘いでご縁が始まりました。妹は入院前にさくらのサポート会員にお世話になり、話を傾聴して頂きました。今回、岡田さんに相談できたことは、自分の気持ちを分かちあえ、安心と安らぎを見いだせて、本当にありがたかったです。会の講演会等で学び、数年前の安曇野の研修で美しい自然とハーブと音楽に癒されました。これからも寝たきりの方へのアロマのサポートや家事手伝い、在宅療養者の見守りなど、私にできる事を続けていきたいと思います。
令和3年度定例会・その他の活動報告
定例会は毎月第2土曜日 13:00~15:00
月 | 日 | 内 容 | 会 場 |
---|---|---|---|
4月 | 10日 | 第23回定期総会 | パレット柏 多目的スペースB |
6月 | 12日 | みんなで考える在宅療養会員 岡田茂子 | パレット柏 ミーティングルームC |
7月 | 10日 | アロマ講座 マスク用スプレー作成 講師 長谷川記子先生 | パレット柏 ミーティングルームD |
8月 | 休会 | ||
9月 | 25日 | 公開講演会 講師 古賀友之先生 | アミュゼ柏プラザ |
10月 | 9日 | 講演会の反省 | パレット柏ミーティングルームE |
11月 | 13日 | 勉強会特養 やわら木苑(松戸市)の活動 講師 大八木副施設長(看護師)他4名の方々 | パレット柏 ミーティングルームC |
12月 | 11日 | クリスマス懇親会 会員 菅博子・高野正子 | パレット柏ミーティングルームE |
1月 | 8日 | 新年会 弁当持参 | 北柏事務所 |
2月 | 12日 | 今年度の反省会 ランチでトーク 事例発表 笹子織江 | 北柏事務所 |
3月 | 12日 | 総会準備・次年度の計画 | 北柏事務所 |
会へのご支援に感謝申し上げます
(敬称略,順不同)
- 助成金 公益信託京葉銀行ホームヘルパー助成基金
- ご寄付 日本アレックス(KK) イオン柏店 マックスバリュー松ヶ崎店 NEW NURSING(株) 青木きよ子 稲野辺武子 上田敬子 澤田美佐子 長谷川記子 渡辺清子 在宅サポートさくら活動者 編み物カフェ協力者 定例会出席者(7・12月)
- 柏市民公益活動促進基金(柏・愛らぶ基金)に寄付して下さった方々 のぞみの花クリニック 佐々木郁子 桜庭栄子 菅隆之 高橋和子 津田眞人 津田満璃 中村七重 マーク・ロイス 宮坂渉 山川智恵子 山ノ内明 山崎晃 匿名1名
- 法人会員 いらはら診療所 苛原 実
- 賛助会員 少名子正彬 岡田邦博 遠藤久人 古賀友之 金子薫 志真康夫 福本孝
2021年度「かたくり」第28号の内容ご紹介します。(ご覧になりたい記事をクリックしてください)
- コロナ禍の一年を顧みて
- 2020年公開講演会「東葛飾地域における緩和ケア∼在宅でできること、病院でできること」
- がんを患って
- ランチでトーク「勉強会」
- 在宅サポート・さくらの活動
- 1年活動して
- 2020年アロマ活動「アロマ・ボランティア勉強会」
- 外部研修「国際福祉機器展」
- 勉強会「介護現場からコロナ禍での仕事について」
- 会員の想い「ホスケア事務所リニューアル」
- 編み物サロン
- 談話「私の乳がん闘病記」
- 令和2年度定例会・その他の活動報告
- 会へのご支援に感謝申し上げます
コロナ禍の一年を顧みて
宮坂いち子
2020年度は新型コロナの感染拡大から始まりました。武漢に発生したというニュースを見ていた頃はこのコロナが世界に拡散していくなどとは思いもよらないことでした。海の向こうの中国の出来事と思っていたものが、一帯一路の東の終点のイタリアで爆発的な感染が起き、ドイツやイギリス、ついには海を越えたアメリカでも爆発的に感染していく中で、春節の訪問者の多かった日本にもコロナは上陸してきたのです。日々感染者が増える日本でも、法的に都市封鎖は出来ないので、4月7日から5月25日までの緊急事態宣言の発出となり、生活に必要な場合を除いて外出の自粛と感染拡大の防止のためのマスク着用、手洗い、うがいなどの協力が要請されました。
私達の会もこの要請に従い、約1か月半事務所を閉鎖いたしました。その後も感染は拡大する一方であったため、自粛を行い、月1回の定例会の中止、「ランチでトーク」や「かたり合いの場」の会合の中止を行いました。地域高齢者施設でのアロマボランティア活動も、施設側の要望により今年度は停止、例年の柏市役所からの要望のアロマトリートメントの実施も行われませんでした。
自粛中ではありましたが、感染防止に再三の注意を払い実行したものは公開講演会です。10月3日アミュゼ柏で東葛病院緩和ケア科部長の木下寛也医師の「東葛地域における緩和ケア」の講演です。60人ほどの市民が集まり、がんの緩和ケアの現状を熱心にお聞きしました。またアロマの香りを生かしたマスク用のフレッシュスプレーや、消毒液から手を守るクリーム作りも行いました。
更に2回の講話会も行いました。女性のがん死亡率の第1位が乳がんになっておりますが、乳がんになられた会員のお二人から、事務所で15人の少人数で、がんとの闘いのお話を伺うことが出来ました。吉田様は自己診断によるステージⅡの早期発見となり、即刻手術し、お元気で活動中です。五十嵐様におかれましては9年前から会員でおられ、その間発見、手術、再発、抗がん治療の経過を何度かお話しいただきました。最後は亡くなられる1か月前の9月に事務所でお話を伺い、残念ながら10月に本当にお別れとなりました。思い出深いのは初めてがんが発見された時、落ち込むお母さまを中2のお嬢さんが、「生きていればどんどん良い治療薬が開発されてくるだろうから一日も長く生きられるよう一緒に頑張ろう」と言ってくれたことが希望となり9年間頑張ってこられたそうです。
現在まだコロナの感染は収束しておりませんが、ワクチンも開発され接種も始まっていますから、新しい視点に立ち、コロナ後の会の活動の再会も皆様とご一緒に考えていきたいと思っております。
2020年公開講演会「東葛飾地域における緩和ケア∼在宅でできること、病院でできること」
2020(令和2)年10月3日(土) 14:00~16:00 アミュゼ柏プラザ (参加者 59人)
講師:東葛病院緩和ケア科 部長
元国立がん研究センター東病院緩和医療科 科長 木下寛也(きのしたひろや)氏
のぞみの花クリニック 非常勤医師
木下先生は、現代の患者様・ご家族の多様な生活実態に合う支え方をしたいと地域横断的な活動を実践されています。コロナ禍の中、貴重な機会をいただいた講演の大筋は以下の通りです。病院では現在、発熱外来をやっており、この状況下、下記5点が地域に広まって欲しいと思う。
- がん治療と緩和ケアを並行して受けよう。
- スマートフォンを使えるようになって互いに表情がわかるオンライン診療にしよう。
- 誤った情報に踊らせられないよう正しい情報の集め方を知ろう。
- 医療従事者と上手くコミュニケーションをとろう。(問診票を記入し、聞きたいことも送信しておく)
- 地域と病院との対話を大切にして地元の医療機関を応援しよう。
私の研究課題は医療サービスのデリバリー(宅配医)である。「がん患者はどこで看取られているか」をみると、緩和ケア病棟・自宅は各1割、その他(一般の病院)が8割であり、その他の実態はよくわかっていない。終末期(緩和医療)のご遺族を対象とした調査『①望んだ場所であったか ②希望と楽しみがあったか』ではQOL(生活の質)が一番高いのは「自宅での死亡」であった。
東葛北部地域の緩和ケア医療資源は最初に病院の緩和ケア病棟、順次訪問診療、入院での緩和ケアチーム、緩和ケア外来と受け入れ施設ができていった。近年緩和ケアの資源(病棟や在宅診療)は増加しているが、患者さんにとって緩和ケア(終末期)の敷居はまだ高い。地域では医師不足・保健師の減少があり、今後コミュニティナースの活動が期待される。
緩和ケア病棟は特に柏のTX駅周辺に集中している(国立がん研究センター東病院・辻仲病院柏の葉・柏たなか病院)。流山には「東葛病院」、我孫子には「我孫子聖仁会病院・平和台病院」、松戸には東松戸病院。千葉県がん診療拠点病院(千葉県がんセンター・慈恵医大柏病院・松戸市立総合医療センター)はがん治療の約6割を担い、緩和ケア病棟及び緩和ケアチーム・外来があるが、医師不足で緩和ケア外来の多くは事前の入院面談のみである。一般的に病院の入院費用(医療保険)は施設入所よりも安い。
訪問診療で私が良く紹介していたのは柏・我孫子地域は「のぞみの花クリニック・ホームクリニック柏・東洋眼科胃腸科・内科」、流山・野田地域は「東葛病院診療所・鈴木内科クリニック・エミング野田クリニック」、松戸地域には「あおぞら診療所」等数多くの診療所がある。こころの相談では、精神科の元同僚が「柏駅前なかやまクリニック」で「遺族ケア外来」の診療をしている。
現在、緩和ケア病棟での長期入院は何処でも難しい。日本は施設が少ないが、柏では緩和ケア専門の有料老人ホームが今年2か所になる予定。空き家を使ってホーム(施設)がもっとできてほしい。
がん診療はすごいスピードで進歩しているが、光と影の部分がある。「どこまで抗がん治療を受けるか、あえて治療をしないか」判断は難しい。人間の意志はその時々の状態で変わるし、価値観と医療経済的問題が複雑に絡む。大事なことは「病気になること」について話し合っておくこと。柏地域医療連携センターの利用等、信頼して相談できるところがあると良い。 (文責:舟木敏子)
がんを患って
会員 吉田千恵子
私は私の人生の中で初めて「ガン」と向きあった瞬間でした。
医師から「間違いありません、ガンです。しかも悪性です。ここで見つかって良かったね。こうしてご自分で気づいて来院してくれてうれしいです」と言われました。
左乳房に、ほんの小さなえくぼができていました。ガンかもしれないと思いながらも『幼少の頃、近所の老女達が上半身裸で雑談する姿を見て過ごしていました。老女達の乳房には皺が垂れ下がっていましたので、今、私もあの頃の老女と同じ年代だ』と感じてガンの発症を否定していました。
ところが、上皇后様が乳ガンで日帰り手術を受けられたというニュースを聞き、ああ私も受診しなければと決心し、病院に向かいました。結果は前記の通りです。
私は、治療を受ける病院を、国立がんセンター東病院と決め、手術を受けることとなりました。種々の検査の結果、左乳房乳腺ガンで、ステージ2と診断されました。当病院では、初診から1か月位で手術できるよう対応されていて、私も初診から1か月目に入院、入院3日目に手術、5日目に退院しました。「ええ、こんなんでいいの」との思いの中で12月29日に帰宅し、凡て健康な生活と同じ生活に戻りました。
年が明けて再診日に傷口のテープを剥がし傷口が奇麗になっていることを確認、ガン摘出は終わり、後は、病理検査を待つだけとなりました。
病理検査の結果、エストロゲン受容体が強陽性でホルモン剤内服、放射線療法を受けて現在に至っております。技術の進歩で乳ガン治療はガン細胞のタイプで最適な治療が受けられます。
1.ホルモン剤 2.抗ガン剤 3.分子標的薬の組み合わせ
今現在、乳ガン発生率は11人に1人、他のガンは国民の2人に1人と言われております。その中で唯一、自分で見つけることのできるガンが「乳ガン」です。「ガンに良性ガンはありません。悪性腫瘍と書きます。早期発見、早期治療が何よりです。」との主治医の話に納得、ガンの治療は日進月歩、研究が進み薬は開発されています。放射線治療の説明で、私の場合は以前25回のものが、今は16回になっていました。効果は変わらない。研究の積み重ねが、患者の負担を軽くし、副作用を最小限に抑える治療が行われております。私はこの16回の治療を受けました。短期間で終わり、副作用もほとんどありません。医学の進歩に感謝です!
この体験により、自分にとって《人生で何が大切か》を深く考えるようになりました。「命とは、その人に与えられた時間です。(日野原先生の言葉)」日々この言葉をかみしめて過ごしております。
ランチでトーク「勉強会」
岡田 茂子
ランチでトークは5年目になりました。開催の目的は会員が気軽に定例会に参加できるようにと考え、医療や介護にとどまらずその時々の幅広い内容を企画しました。軽い昼食をとりながら進行係を設けず行ってきましたが、今年度は新型コロナウィルス発生に伴う緊急事態宣言により休会になりました。
来年度は「会員がもし難病やがんで在宅療養生活を始めるなら」という設定のもとで「自分の住居地で活用できる資源・情報は何か」を具体的に会員個人の住所地で調べて、みんなで話会うことを計画しています。その第一歩として、①在宅医療を始めるまえの基礎知識 ②訪問する職種と仕事内容 ③介護保険の申請は? ④柏地域医療連携センターと地域包括支援センターの機能などから開始し、実際に個人の居住地で考えていきます。そのほかに日本の病院の部位別手術件数の実態や最新の医療の治療法など取り上げたいと思っています。事前にお知らせしますので多くの参加をお待ちしています。
在宅サポート・さくらの活動
コーディネーター 長尾克子
2020年は新型コロナウイルス感染症の蔓延で、在宅サポート・さくらも創立以来、初めての経験でしたが、サポートを中断せざるを得ないという経験をしました。
社協からの連絡により、特別なケースを除いて暫くの間在宅における訪問ケアを見合わせるようにとのことでした。3月には、ご利用者が1名になっていたのはまだ幸いだったというべきでしょうか。その方にはご了解いただいて6月までサポートを中断させていただきました。御病人にもご家族に対しても本当につらいお願いでしたが、数カ月もの間本当にご不自由をおかけして、大変なご負担だったことと、思い返しています。状況に応じたサポートの仕方を、その都度考えることも必要かと、今は感じています。
ウイルス感染症が突然これほど世界中に拡散し、世の中がこれほどの変化を強いられ、いやも応もなく対応を迫られる状況になる等、想像もしなかったことでした。かわらぬ今日の日常が続いていくものと呑気に信じていたことがいとも簡単に変わってしまうということを思い知らされました。
サポート再開後は可能な限り感染症の対策に注意しながらケアに当たらせていただいています。対外的なボランティア活動や会員同士の交流などほとんど自粛する日が続いていますが、各自がストレスの軽減をしながら健康を維持するための工夫をする時間としてほしいと願います。
コロナ禍を乗り越えた次の世界がどんなに変わっていくのかはまだ判りませんが、どんな状況であっても対応できるよう、こころと身体の体力をつけておきましょう。
閉塞感と不安の先に希望の光を見出すことができますように。
誰かを支え助けることができる、そして支えられ助けてもらうことができる幸いを思いつつ。
2020年の在宅サポート・さくらの活動状況:
活動時間 延べ 70時間
活動人数 延べ 15人
ご利用者 延べ 13人
1年活動して
会員 梅林まり
父をがんで亡くし、いつかホスピスケアに携わりたいと考えていました。
勤めていた仕事も一段落し、少し時間が持てるようになった今、さくらで活動させて頂くことになりました。現在伺っているお宅では、コミュニケーションと食事の手伝いを行っています。1年前はスプーンにのせる事が難しく一部援助をしていましたが、途中からスプーンの補助具を利用されてからはご自身ですくって食べれるようになりました。またご本人様より地域の事、歴史の事など、いろいろ教えて頂いています。常に勉強をされており、ご自身でできることは前向きに取り組まれている姿には、私自身学ぶことばかりです。
今後も少しでも楽しい時間を過ごして頂けるように、関りを持ちたいと思います。
2020年アロマ活動
本年度のアロマ活動は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、以下のような活動内容となりました。 菅 博子
アロマボランティア勉強会 日時9月12日 12時~13時45分
場所 パレット柏ミーティングルームA
「免疫力を上げるコロナ時代のセルフケア」 講師 薬剤師 長谷川記子氏
参加人数13名(コロナ対応にて人数制限)
社会福祉法人千葉県厚生事業団 特別養護老人ホーム ひかり隣保館(コロナの為延期)
公益財団法人柏市医療公社 北柏デイサービスセンター(コロナの為延期)
アロマクラフト講座 講師 美崎 淳子
日時 7月11日(土) 及び 12月12日(土)
場所 パレット柏ミーティングルームD,E
今年、私たちの住む世界では、 未知のウイルスが猛威を振い、世界があっという間に一変してしまいました。当たり前だった日常が、先行きの見えない不安にさらされています。アロマセラピー(芳香療法)は、植物から抽出された揮発性の精油を用いる 補完医療として古くから西洋では病気の予防や治療に使われてきました。 コロナ禍の中でも、少しでもストレスを溜めず免疫力を低下させることなく、 元気に過ごすためにアロマセラピーを生活の中にうまく取り入れ、感染予防や 気分のリフレッシュなど、セルフケアに役立てていただけたらと思い、 抗菌力のある精油を用いマスク、簡単な手指消毒に使えるエアフレッシュナー と、アルコールによる手荒れ予防にミツロウを用いた万能クリーム作りを行いました。こうした講座を行うことにより、楽しみながら、アロマセラピーのこと、精油 のことを幅広い年代の方に知っていただき、ただの癒し、香り、マッサージだ けでなく、家庭で役立つアロマ活用術を多くの皆さんに知っていただければ幸 いです。
外部研修
国際福祉機器展 岡田茂子
毎年有明のビッグサイトで開催される福祉機器展ですが、新型コロナウィルスの影響により今年はウェブサイト開催となりました。
車いす、杖、歩行器、リフトなど自立に一番必要な移動手段や、ベッド、入浴用品、トイレなど生活に身近なものの他に身体の障害に応じた装具、補助具、コミュニケーション機器、調理用具やさまざまな形状の食品等、幅広い展示が各参加会社により行われていました。その他にコロナ禍における「世界の福祉現場のいま」が掲載されていました。具体的には、スウェーデンとイギリスの新型コロナウィルス感染症への対応や影響について述べています。その中で印象的だったのは、スウェーデンの介護士や看護助手は外国女性が多く有期雇用ということです。
勉強会
介護現場からコロナ禍での仕事について 門松文子
中国に始まったコロナ感染がもう1年以上に及び、地球上のあらゆる国々に驚くような感染者と死者を出しています。基礎疾患を持つ高齢者は罹れば死に結び付く危険が高いとマネージャーも様々な配慮をしなければなりません。毎月一人ひとりの定期訪問を義務付けられていますが接触をしないよう電話でよいと行政の配慮がありました。反対に閉じこもりがちの利用者は訪問を待っているという人も少なからずおり、短時間ですますよう心掛けています。そればかりでなくディで感染者が出てディの利用がストップする、ケアに従事する者の家族に感染の疑いがあれば2週間の自宅待機ということもあり、サービス自体が出来なくなる中で、状況に応じてどう補って支障少なく本人や家族を支えていくか苦慮しています。
今後、入院できなく自宅待機を強いられる人達をどう支えられるかが課題です。ワクチンが早く多くの人に行き渡るよう願っています。
会員の想い
ホスケア事務所リニューアル 石井恵美子
コロナ禍の中、巣ごもり生活が続いています。「ホスピスケアを広める会」も活動自粛で、事務所もひっそりしています。20年以上続く当会は、書類も多く、この自粛中に整理をすることになりました。
昨年11月頃から、ファイルの中味を担当の方々に聞きながら、ファイルの数を減らしていきました。年1回の公開講演会、会報「かたくり」の発行、定例会の記録、アロマボランティア等々、様々な活動をたくさんの会員が行っているため、ファイルの数も100を超えていました。そこで同じ内容のファイルをまとめ、棚ひとつに収めることが出来ました。事務所のレイアウトを変えてみました。本棚上の段ボールは、棚下の大きな木箱に入れ、バザーの時毎回登場する藍色のベルベットで覆いました。
次は、拭き掃除です。床、壁、窓、事務所の扉を拭き、エアコンを掃除しました。ひとつきれいにすると、他が気になり、どんどん拭きたくなります。昨日は、「サポートさくら」の看板を拭きました。年始には正月飾りを、2月には節分のオーナメントを置き季節感を表してみました。
2ヶ月余りの事務所「断捨離」中、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。これからも使いやすく、明るい事務所を目指していきますので、ご意見・ご感想をお待ちしています。
編み物サロン
宮井久子
編み物サロンは毎月第2金曜日に集まって手芸品を5~6人で作っています。
今年は今まで作り貯めていた作品を出品していた柏フェスタもコロナ禍の為中止になりました。町からはコロナ感染防止の必需品であるマスクが消えかけ、それならばと思い、好きな色や柄のマスクを皆で作りました。クリスマス時期にはクリスマスバージョンのマスクを作り、意外と好評でした。お洋服に合わせて、皆さん何枚も買って頂きました。
本松さんは、お得意のミシンを活用して沢山貢献してくださいました。
講話 私の乳がん闘病記
2020年9月12日 会の事務所にて 会員 五十嵐明子
私が初めて乳がんと診断されたのは今から9年前、43歳の時,その時娘は中学1年生でした。乳がんが見つかったのは検診ではなく、右胸の皮膚のへこみが気になり、病院に行ったためです。その前人間ドッグの診断で乳がんではないとのことで安心していたのです。
ところが今回受けた検診では悪い予感がして、私の両親、主人、私の4人で先生からお伺いしたのですが、乳がんでした。私は乳がんの知識があまりなかったので手術を受ければがんは取れるというぐらいに考えていました。先生からすぐ抗がん剤治療を受けること,髪が抜けるのでカツラを作ること、それから病院が住まいに近い方がいいと言われ、柏の国立がんセンター東病に転院しました。抗がん剤で丸坊主になる前に娘と二人で写真を撮りました。6か月間の抗がん剤治療は辛く、その間の記憶はほとんどありませんが、中学一年になった娘につらい気持ちをぶつけており、娘はどんなに辛く不安だったかと思います。
2012年5月「右胸温存手術・リンパ郭清手術」を受けました。その後ホルモン剤治療を続け、3年ほど経った時検査で両方の肺への転移が見つかりました。その時「肺転移です」「末期です」と言われ、その後4年半肺の状態は落ち着いたのですが、「末期」という言葉が首にぶら下がり、「もう死が近づいている」という不安な気持ちで毎日を過ごしました。
その一方で楽しいこともありました。娘が5年生の時から22歳になるまで娘と思い出の海外旅行を何度もしました。がんが無ければこんなに行っていなかったかもしれません。
2019年8月末肺に転移が進行しており、治療法が変わりました。2020年4月には肝臓に転移が見つかり、7月には外出先で倒れ意識が無くなり、救急車で病院に運ばれました。その後目がおかしくなり、咳が出て背中が痛くなり、肩ももぎ取れそうに痛くなりました。7月30日腫瘍内科の先生に「もう癌は治らない」と言われた時、私はもう「抗がん剤はやりたくない」と決めました。闘いのリングから降り、私らしく最期を迎えるため「緩和ケア」を選択したのです。その後2週間ほど寝たきりになり、怖くなって先生にご相談しステロイドの薬を処方していただくと、嘘のように動けるようになりました。しかしその後髄膜炎になり手足が痺れ、みぞおちが苦しくなり、さらに髄膜播種、頚椎症となり余命も3月位と言われ覚悟ができました。その後恩師や友人への挨拶、やらなければならないことを進めました。今の心配は残される娘の将来のことです。数年前から海外で安楽死の報道が目に付くと希望したいと思いました。最後になりますがホスピスケアを広める会の方々にはいつも暖かい目で見守ってくださったことを感謝いたします。
*五十嵐様はこの1か月後10月11日永眠されました。初めて9年前に事務所を訪問して下さってから、折にふれお会いし、冷静で優しい方だという印象でした。1年ほど電話のみでお会いしていなかったのですが、9月に事務所にお別れに来てくださり、少数の会員に今までの体験談を語ってくださいました。(写真前列左から2番目の方) これが最後となりました。
さわやかな方でした。
心からご冥福をお祈りします。
(講話要約 宮坂)
令和2年度定例会・その他の活動報告
定例会は毎月第2土曜日 13:00~15:00
月 | 日 | 内 容 | 会 場 |
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4月 | 22日 | 第22回定期総会 | 北柏事務所 |
6月 | 13日 | 会員による体験談 講話 吉田千恵子氏 | パレット柏 ミーティングルームC |
7月 | 11日 | アロマ講座 講師 美崎淳子氏 日常で楽しめるアロマテラピー・マスク用スプレー作成 | パレット柏 ミーティングルームD |
8月 | 休会 | ||
9月 | 12日 | ①研修会講師 長谷川記子氏 免疫力を上げるコロナ時アロマセルフケア ②講話 五十嵐明子氏 がん闘病記 | パレット柏 ミーティングルームD 北柏事務所 |
10月 | 3日 | 講演会 講師 木下寛也氏 | アミュゼ柏プラザ |
11月 | 13日 | 勉強会 講師 門松文子氏 コロナ時代のケアマネの仕事 | 北柏事務所 |
12月 | 12日 | アロマ香づくり研修会 講師 美崎淳子氏 | パレット柏ミーティングルームE |
1月 | 9日 | 新年会中止 コロナ禍、緊急事態発令 | |
2月 | 13日 | 緊急事態発令により中止 | |
3月 | 13日 | 総会準備・次年度の計画 | 北柏事務所 |
会へのご支援に感謝申し上げます
(敬称略,順不同)
- 助成金 公益信託京葉銀行ホームヘルパー助成基金
- ご寄付 日本アレックス(KK) マックスバリュー松ヶ崎店 在宅サポートさくら活動者 編み物カフェ協力者 定例会出席者(7・9・12月) 青木きよ子 岡田茂子 大海房江 大面トク子 近藤千枝子 桜庭栄子 杉山晴江 多田珠美 吉田千恵子 長谷川記子 稲野辺武子 澤田美佐子 匿名8 名
- 柏市民公益活動促進基金(柏・愛らぶ基金)に寄付して下さった方々
古賀友之 長島 潔 津田真人 津田満璃 中村七重 山川智恵子 山崎 晃 山ノ内明 ロイス・マーク 高橋和子 匿名1名 - 法人会員 いらはら診療所 苛原 実
- 賛助会員 少名子正彬 岡田邦博 遠藤久人 古賀友之 金子薫 志真康夫
「かたくり」巻頭言一覧 (内容を知りたい方は会にご連絡下さい)
号 | 発行年 | 巻頭言テーマ |
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28 | 2021 | コロナ禍の一年を顧みて |
27 | 2020 | 新型コロナウィルスの時代 |
2019 | 20周年記念誌発行 | |
26 | 2018 | 千葉県の医療審議会委員として見えたもの |
25 | 2017 | 介護保険が新しい仕組みになる |
24 | 2016 | ホスピスケアの学びを出前 |
23 | 2015 | 「急性期から在宅療養へ」の時代 |
臨時 | 2014 | 「かたくり」臨時特別号に寄せて |
22 | 2014 | 寄付文化とボランティア |
21 | 2013 | 家族を看取る心構えを学びましょう |
20 | 2012 | 柏の医療・福祉が変わる |
19 | 2011 | 心をリフレッシュして健康になろう |
18 | 2010 | 在宅医療はこのままで良いのだろうか |
17 | 2009 | がん患者家族総合支援センターの設立 |
16 | 2007 | 在宅ケア支援開始3周年感謝祭 |
15 | 2007 | 在宅ケアでの心の支援に向けて |
14 | 2006 | さくらの活動・近況 |
13 | 2006 | 在宅ケア3年目の活動に向けて |
12 | 2005 | 救急救命講習会に参加して |
11 | 2005 | 「群馬のミニ・ホスピス“我が家”訪問記」 |
10 | 2004 | 「ホスピスケアを広める会」に改名して |
9 | 2004 | 在宅ホスピス支援「座して待つから一歩進めて」 |
8 | 2003 | 在宅ホスピス・ケアの日々から |
7 | 2002 | 静岡がんセンター視察報告 |
6 | 2002 | 「特定非営利活動法人(NPO)を取得して」 |
5 | 2001 | 十月一日・十年一昔 |
4 | 2001 | 花の谷クリニック訪問記 |
3 | 2000 | 講演会「どうしたらいいの?がん告知以後」 |
2 | 2000 | 講演会「医師が妻にがんを告知するとき」 |
1 | 1999 | “かたくり”創刊号に寄せて |
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